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喘息

喘息とは

このような症状はありますか?

  • 発作性の咳がでた
  • 明け方に咳の症状が強くなる
  • ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音がする
  • 咳止めを飲んでも効果が無い
  • 風邪を引くと咳が長引く
  • 冷たい空気にあたると咳込みやすい

喘息とは、慢性的な炎症が気道に生じて咳などの症状が起こる状態です。発作性の咳を繰り返すと、生活の質(QOL)の低下にもつながります。アレルギーやホコリ、タバコ、ストレスなど様々な原因で、発症リスクが高くなります。

気管支喘息の特徴

繰り返す咳、ゼーゼーヒューヒューと呼吸音がする(喘鳴)などの症状は、気管支拡張薬を吸入すると楽になるという特徴があります。
特に、小児喘息があった方、アレルギー体質の方、家族に気管支喘息をお持ちの方は、発症リスクが高くなります。

咳喘息の特徴

長引く咳、痰の絡まない乾いた咳、風邪を引いた後に咳の症状だけが続くなどの特徴があります。気管支喘息との違いは、ゼーゼーヒューヒューといった呼吸音(喘鳴)は起こりません。
春や秋など季節の変わり目に症状が悪化することがあります。

喘息の重症度

喘息は、症状の頻度や夜間の現れ方によって軽症の間欠型、軽症の持続型、中等症の持続型、重症の持続型と4つに分類されます。

  軽症
間欠型
軽症
持続型
中等症
持続型
重症
持続型
頻度 ~週1回程 週1回以上 ほぼ毎日 毎日
強度 症状は軽度で短期間 月に1回以上
日常生活、睡眠が妨げられる
週1回以上
日常生活、睡眠が妨げられる
日常生活に支障がでる
夜間症状 月2回未満 月2回以上 週1回以上 しばしば起こる

子どもの喘息と大人の喘息の違い

喘息は、子どもと大人でいくつかの点で異なる傾向があります。
さらに、肺や気管支の成熟度、喫煙歴などによって治療期間に差が出ます。

  アレルギーの有無 喘息の特徴
子どもの喘息 アトピー型が多い 発症は、2~3歳で60~70%、~6歳で80%
アトピー性皮膚炎や他のアレルギー疾患との併発が多い
痰が多く出やすい
喘鳴が起こりやすい
肺が成長すると症状が落ち着いて寛解(症状が出ない状態)に至る傾向
大人の喘息 非アトピー性が多い ストレスや過労で免疫力が低下して風邪などをきっかけに発症
40歳以降で初めて発症することもある
タバコや飲酒、ストレスなど生活習慣によって慢性化・重症化しやすい
女性は、生理の時に症状が悪化することがある

喘息と合併しやすい疾患

喘息がある方は、以下の合併症に注意が必要です。
特に、鼻は気管支とつながっているためアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの病気を発症しやすい傾向があります。

  • アレルギー性鼻炎
  • 慢性副鼻腔炎
  • 好酸球性副鼻腔炎
  • 好酸球性中耳炎
  • EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)
  • ABPA(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症)
  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)とのオーバーラップ

喘息の治療法

喘息の治療は、吸入ステロイド薬を用いて気管支の炎症を抑える薬物療法が基本となります。さらに、状態に応じて薬の併用を行いながら症状の改善を図ります。

長期管理薬

喘息発作を予防することを目的として行う薬物療法です。
吸入ステロイド薬、抗ロイコトリエン薬、テオフィリン製剤、長時間作用型β2刺激薬、長時間作用型抗コリン薬など、気道の過敏性を抑制する薬を単独あるいは併用して使用します。
難治性喘息の方は、状態に合わせて経口ステロイド薬、抗IgE抗体:オマリズマブ(ゾレア®︎)、抗IL-5抗体:メポリズマブ(ヌーカラ®︎)、ベンラリズマブ(ファセンラ®︎)や抗IL-4/13抗体:デュピルマブ(デュピクセント®︎)といった生物学的製剤も併用する場合があります。

発作治療薬

喘息発作が起こった際は、高い即効性を示す短時間作用型β2刺激薬を使用します。
また、発作がひどい場合には、テオフィリンの点滴、ステロイドの全身投与、アドレナリン皮下注射などが必要となる場合があります。会話ができない、横になることが難しいほどの発作が出ている場合は、緊急治療が必要となるため、すぐに医療機関を受診しましょう。

喘息の発作を起こさないために

薬を継続して服用する

治療薬は、症状が落ち着いたからといって自己判断で中止することが無いようにしましょう。
症状が出ていないときも、気道で慢性的な炎症が続いていると、再発の原因になります。

掃除をこまめにする

ハウスダストや花粉などのアレルゲンを避けるために、こまめに部屋を掃除しましょう。
エアコンの普及や建物の気密性向上によって、近年は室内の空気の入れ替えが不十分な場合が多いので注意が必要です。

禁煙

副流煙や喫煙は、喘息症状の悪化につながります。タバコは、がんや生活習慣病の発症リスクも高くなるので、なるべく禁煙するようにしましょう。

ストレスを溜め込まない

過度なストレスは、喘息の症状悪化につながります。半身浴や軽い運動、趣味、十分な睡眠時間の確保など、ストレスの解消法を取り入れるようにしましょう。

無理のない運動

過度な運動は、喘息症状を悪化させますが、散歩、サイクリング、水泳など適度な運動は、心肺機能を向上させ喘息の予防につながります。

監修:中目黒アトラスクリニック 
院長 伴野繁雄