以下の項目に該当する方は要注意です
- ファーストフードなどの脂っこい食べ物を好んでよく食べている
- 家族に脳梗塞の治療を受けていた方がいる
- コレステロールや中性脂肪の値が高いと診断された
- 高血圧や糖尿病の他の病気の治療を受けている
上記のような項目に該当する場合、脂質異常症の可能性があります。脂質異常症は自覚症状を感じにくく、早期発見が難しい病気です。些細なことでも構いませんので上記のいずれかの項目に当てはまる方は、お早めにご相談してください。
脂質異常症とは
脂質異常症の主な原因は、生活習慣の乱れ、体質、病気や薬の影響です。
生活習慣の乱れ
過食や高脂肪の食事など、偏った食生活は血中の脂質量を増加させます。現代の日本では、食生活の欧米化により高カロリーな食事が増え、脂質異常症になる人が増加しています。食生活だけでなく、運動不足、睡眠不足、ストレスも脂質異常に影響を与えます。
体質
遺伝が原因で血液中に脂質が増える体質を持つ場合もあります。この体質を原発性脂質異常症と呼びます。遺伝子異常により、生活習慣に関係なく血中の脂質が異常に増えることがあります。
病気や薬の影響
他の病気を患い薬を服用している場合、その薬の影響で脂質異常症を引き起こすことがあります。原因となる薬にはステロイドホルモン剤や経口避妊薬などがあります。また、糖尿病、腎臓病、ホルモンの分泌異常などの病気も脂質異常症を引き起こすことがあります。
脂質異常症の診断基準
脂質異常症の一般的な基準値は、空腹時採血で以下のように定められています。
LDLコレステロール | 140mg/dL以上 |
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HDLコレステロール | 40mg/dL未満 |
中性脂肪(TG) | 150mg/dL以上 |
LDLコレステロールについては、140mg/dL未満でも糖尿病や高血圧、過去の血栓症の有無などの他の危険因子と組み合わさることで冠動脈疾患の発症リスクが高くなるため、高リスク病態がないかを検討し、治療の必要性を考慮します。
基準値は年齢や性別、喫煙の有無、家族歴、糖尿病や慢性腎臓病(CKD)などの合併症の有無により異なるため、まずは自分の目標値を医師に確認することが重要です。
脂質異常症の症状
血液中の脂質濃度が高くても初期症状を感じることは少なく、早期発見が難しいのが特徴です。コレステロール値や中性脂肪値が高い状態が慢性的に続くと、全身の血管が動脈硬化を起こし、脳梗塞や心筋梗塞といった合併症を引き起こす可能性があります。
肝臓は栄養素を貯蔵し、血液中の脂質を吸収してエネルギーを生産する重要な働きをしています。そのため、脂質濃度が高い状態が続くと脂肪肝になります。脂肪肝は肥満や糖尿病など、生活習慣病と深く関連するだけでなく、放置すると肝硬変や肝がんの原因となります。
脂質異常症の治療法
治療の基本は食事療法と運動療法です。これらを組み合わせても改善が見られない場合、内服薬での治療が必要となります。
以下の方々は動脈硬化のリスクが高いため、診断時から薬物療法が基本的に必要です。
- 動脈硬化がすでに発生し、治療中の方
- 糖尿病や高血圧、喫煙など、動脈硬化を進行させやすい条件にある方
- 遺伝的に動脈硬化を起こしやすいことが判明している方(例:家族性高コレステロール血症など)
近年、脂質異常症の患者が増加しており、コレステロールや中性脂肪を低下させる薬が広く処方されるようになっています。これらの薬は脂質異常を改善するだけでなく、一部の薬では動脈硬化の進行を抑え、改善させる効果もあります。
個々の患者さんの目標値は異なりますので、治療を開始する方や治療中の方で不明な点があれば、いつでもご相談ください。
当院の栄養指導について
高血圧の治療は薬だけに頼らずに、普段の食生活を改善していくことが大切です。ただ、食生活の改善が大切ときいても、具体的に日々の食事をどのように変えていけばいいかわからないという方も多いのではないでしょうか?
そのため、当院では、管理栄養士による栄養指導を行っています。管理栄養士が日常生活にも取り入れやすいように工夫した食事提案、献立メニューをご提供しています。ご興味のある方はお気軽にご相談してください。お問い合わせ
中目黒アトラスクリニックでは脂質異常症治療を行い、地域の皆様の健康に貢献していきたく思っています。脂質異常症は初期の自覚症状を感じることがなく、気が付かない間に病状が進行していきます。症状が発症してから治療を開始しても治療が手遅れとなってしまうこともありますので、健診などで中性脂肪やコレステロールの数値で指摘を受けたことがある方はお気軽にご相談ください。