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ヒスタグロビン注射

ヒスタグロビン注射について

ヒスタグロビンは、ヒスタミンと免疫グロブリンを結合させた医薬品です。人の献血から得られた血液の中から、免疫に関与するγグロブリン細胞を収集し、これにヒスタミンを添加することで、強力な抗ヒスタミン作用をもたせます。

ヒスタグロビンは非特異的減感作療法と呼ばれ、特定のアレルギー原因物質に対する感受性を低下させる「特異的減感作療法」とは異なり、アレルギー疾患を体質から改善する根本治療です。そのため、スギ花粉以外のアレルゲンをお持ちの方にも有効な治療法です。複数のアレルギー物質に反応する場合、ヒスタグロビンはアレルギー反応を抑制するのに効果的であり、ステロイド注射とは異なり副作用が極めて少ないのが特徴です。

当院ではアレルギー諸症状の鎮静化に効果的なノイロトロピン注射も併用できます。ヒスタグロビン注射とノイロトロピン注射を併用することで、相乗効果が期待できます。

ヒスタグロビン注射の適応

花粉症の症状が中程度以上の方がヒスタグロビン注射の対象となります。週に1回から2回の通院が必要で、これを3週間継続することで初めて効果が期待できます。
3週間の継続治療が難しい場合は効果が不十分になる可能性があるので、通院が可能な方が対象となります。また、生理前や生理中、妊娠中の方は、一時的にアレルギー症状が強まる可能性があるため治療が受けられません。

ヒスタグロビン注射の投与方法

花粉症の症状が現れた場合、ヒスタグロビン注射1バイアルを注射用水1.5mLに溶解し、皮下に注射します。
通常、成人では週に1~2回、計3週間にわたり1回1バイアルずつ投与します。これを1クールとし、3週間で3~6回の投与を行います。
効果が不十分な場合は、1クールの追加投与を行います。また、1回あたりの投与量が最高3バイアルまで増量する場合もあります。
治療効果が確認されたら、症状が落ち着いた状態を維持することを目的として定期的な注射が行われます。ノイロトロピン注射との併用も効果的です。

ヒスタグロビン注射が適さない方

  • 過去にヒスタグロビン注射によるショック経験がある方
  • 激しい喘息発作がある方
  • 月経前後や妊娠の可能性がある方

その他、疑問点があればお気軽にクリニックまでご相談ください。

ヒスタグロビン注射の費用

ヒスタグロビン注射は保険適応のため、1回あたりの負担額は約1,200円(初診時)、再診時は約600~700円となります。
ノイロトロピン注射と併用する場合は、初診時に約1,300円、再診時に約800円となります。

抗ヒスタミンなどの内服薬だけでは症状を十分に抑えることができない場合、ヒスタグロビン注射の検討をお勧めします。

監修:中目黒アトラスクリニック 
院長 伴野繁雄