舌下免疫療法
ダニや花粉などのアレルギー成分を含むエキスや錠剤を、舌の下にのせて、ゆっくりと体内に吸収させて体にアレルゲンを馴染ませていく治療法です。
少量から始めて、治療を持続して行いながら、徐々に症状を和らげていきます。治療は1日1回の服用を最低でも3年間継続して頂く必要があります。
個人差はありますが、治療を開始してから約3か月で効果を感じることができます。スギ花粉、。舌下免疫療法は、スギ花粉、ダニ、アレルギー性鼻炎に起因するアレルギーに対して行われます。舌下免疫療法は、5歳以上のスギ花粉やダニアレルギーの方が対象となります。治療の際は、アレルギー検査を行う必要があります。
スギ花粉の治療は、花粉の飛散時期を避け5月から12月までの期間に開始します。ダニアレルギーの場合、治療の開始時期は特にありません。妊娠中の方、妊娠希望の方は、治療を開始することができないので予めご了承ください。
舌下免疫療法が適応となる方
- 血液検査で、スギやダニアレルギーと診断された方
- 主治医の指導の下、継続して通院が可能な方
- 毎日、欠かさずに服用することができる方
舌下免疫療法に適さない方
- 5歳未満、または65歳以上の方
- 妊娠中、授乳中の方
- 重度の気管支喘息をお持ちの方
- 悪性腫瘍または免疫不全などの既往歴がある
- 他の治療で免疫抑制剤を服用中の方
皮下免疫療法との違い
アレルギーの減感作療法は、従来の皮膚に注射する皮下免疫療法は、注射による痛みや通院回数の多さから、小さいお子さまや忙しい方にとっては治療継続が難しい治療でした。
舌下免疫療法は、舌の下に薬を載せるだけなので注射による痛みの心配もありません。また、自宅で行えるので通院による負担も無く、一定の効果が得られる治療法です。
皮下免疫療法 | 医療機関で投与する必要がある 注射による痛みを伴う 治療開始からしばらくは頻回に通院が必要 |
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舌下免疫療法 | 注射による痛みがない 初回は医療機関で投与し、それ以降は自宅で服用するため通院回数が少なく済む |
舌下免疫療法の効果について
舌下免疫療法は、全ての方に治療効果が期待できるわけではありません。治験の結果、2割の方は完治し6割の方は症状の改善が見られました。しかし、残りの2割の方は、あまり効果が見られませんでした。
症状に対する治療とは異なり、長期に渡って服用する必要があります。治療期間中に、アレルギー症状がでることもあります。それでも、継続して治療を行うことが大切です。
舌下免疫療法は、アレルギーの体質そのものを改善していく治療なので、スギ花粉やダニアレルギーでお困りの方はお気軽にご相談ください。
舌下免疫療法の副作用
体内にアレルゲンを直接吸収させるので、まれにアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。アナフィラキシーショックは、投与してから30分以内に発症します。初回の投与は、医師の指導の下で院内で30分ほど様子を見ながら安全に行います。
舌下免疫療法の通院頻度
舌下免疫療法は、治療開始から2週間は週に1回の通院が必要です。その後は、2~4週間に1回の通院を3年以上、継続していきます。治療は、ご自宅で毎日行います。長期間、治療を継続することでゆっくりとアレルギーの体質そのものを改善していきます。症状は、次第に緩和して症状が落ち着いていくと、徐々にお薬の量も減らしていきます。治療を開始してから3か月ほどで、多くの方が治療効果を実感されています。
舌下免疫療法の治療の流れ
1初診
問診で、症状について詳しく伺います。血液検査を行って、スギまたはダニアレルギーを調べます。 また、舌下免疫療法についての詳しい治療内容をご説明いたします。 不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
22回目の受診
初診時の血液検査で出た結果をもとに、舌下免疫療法が適応と判断された場合、治療を開始します。 初回は、投与後にアナフィラキシーショックなどの副作用が起こらないか、医師の指導の下、確認していきます。投与から30分が経って、治療の継続が可能か判断いたします。 問題ない場合、翌日からはご自宅で投与を行います。
3その後
舌下免疫療法は、最初の3か月間は、副作用が起こるリスクが高いので、最初は2週間ごとに通院していただきます。 特に問題が無ければ、3か月を過ぎたら1か月に1度の通院で様子を見ながら治療を継続していきます。